滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2021年9月分をご紹介いたします。

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今月は、第237回『ひざの痛み、関節の痛み~無理は禁物~』です。

-以下、記事本文-

元々ひざの痛みがある70才のIさん。普段から無理をして畑仕事や草むしりをしていますが、冬の雪どけでかなり負担がかかり、腰と股関節も痛むとのこと。
腰の痛みは我慢できるが、股関節の痛みが段々ひどくなってきました。朝起きるときも痛み、階段などの段差がつらく、少し楽な日もあるが天気の悪い日はよけいに痛みます。
痛む足を下にすると寝られないため同じ向きで寝ています。

農業のお手伝いをしている55才のRさんは数年前から左右両方のひざ痛をかかえ、以前に水を抜いたこともあります。
痛みを我慢しながら仕事しているうちに段々ひどくなってしまいました。
階段の昇り降りが特につらく、手すりがない所では後ろ向きに降りるとのこと、歩く時も痛み、曲げるのがつらいとの事、もちろん正座はできません。

関節の痛みは加齢により軟骨が老化し弾力性を失い、長年の使用や使い過ぎから関節軟骨が擦り減り、関節が変形して痛みが起こります。
また、寒さ(寒邪)や湿気(湿邪)が悪影響で関節の血流や代謝が悪くなり、痛みがさらにひどくなってしまいます。

Iさんは風湿の邪を去り関節の炎症を鎮める漢方薬、気を補い水分代謝を改善する漢方薬、血を補い、血流を改善し、足腰の働きを丈夫にする漢方薬等で改善することが出来ました。

Rさんは風湿の邪を去り、気を補い水分代謝を良くする漢方薬で改善することが出来ました。

痛みがある時は患部に負担をかけてはいけません。無理をせず、頑張り過ぎない事が早期回復につながります。

滋賀夕刊掲載【第237回】漢方薬のおはなし