滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2023年2月分をご紹介いたします。

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今月は、第254回『更年期の悩み~不定愁訴を乗り越え美しく~』です。

-以下、記事本文-

ふわふわする、冷えのぼせがある、眠れない、いらいらする、尿漏れ、陰部がかゆい、更年期に差し掛かると不定愁訴に悩まされます。
症状はまったく違いますが、実は規則性があり、東洋医学では規則に従って体調を整えることで、改善する方法があります

例えば、ふわふわする、いらいらするなどの症状は、肝の気が上昇している、脾が冷えるなどから起こる症状で、肝の気の流れを良くする、脾を温める方法を使います。
眠れない、朝起きられない、冷えのぼせがあるなどは、心と腎のバランスが乱れる、心と肝の血が不足するなどから起こる症状で、心腎のバランスを整える、心と肝の血を補う方法がポイントです。

更年期はホルモンの不調から起こる症状で、東洋医学では腎の働きが弱ることが原因と考えます。
腎陰が不足すると陰部掻痒などにもつながりますが、腎を補うと、そのような症状も含めて、前述の症状がより早く改善するのです。

Aさんは閉経後、足は冷えますがホットフラッシュに悩まされるようになり、めまい、頭痛が多く、寝つきも悪くなり、朝から体が重い日が続き、日によって陰部のかゆみにも悩まされていました。
心と腎のバランスが悪く、脾の陽が不足している状況で、脾陽を補う漢方薬、心を補い、腎陰も補う柏子仁を含む漢方薬を飲み始めました。

最初に、めまい、体の重さが改善され、少しずつ眠れるようになり、その後、ホットフラッシュが辛く感じなくなるころ、陰部のかゆみも無くなりました。
何より、化粧のりが良くなったとのこと。

漢方薬で不定愁訴を改善することは、老化を予防し若々しさを保つきっかけにもなるのです。

滋賀夕刊掲載【第254回】漢方薬のおはなし