滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2023年11月分をご紹介いたします。

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今月は、第263回『足腰の痛み、しびれ…~急性も慢性も~』です。

-以下、記事本文-

ギックリ腰の後、腰痛がすっきり治らず、右足指先のしびれもあると言われる61歳のTさん。
何とか動けるようになって来店されました。
季節の変わり目で寒くなってくると腰の調子が悪くなるとのことです。

来店時はまだギックリ腰の炎症が残っているようで、急性の陽証の反応があり、足の指のしびれは腰椎関節の異常から起こっているようで慢性の陰証の反応です。
早く良くしたいとのことで、手間がかかりますが漢方薬はそれぞれに煎じ薬を選びました。

急性の痛みは一週間程でなくなり、すっきりしない感じもひと月ほどの服用で治まりました。
指先のしびれは3か月で薄らいできましたが、まだ根気よく漢方薬を続ける必要があります。

左の腰からお尻、太ももにかけて痛くて歩くのがつらいと言われる82歳のSさん、先日からふくらはぎも痛くなってきました。
買物に行くと途中で歩けなくなってしまいます。

今まで注射や薬を使っていましたが、根本的には坐骨神経痛で薬はないと言われています。
痛み止めは胃が悪くなりあまり飲めず、漢方薬を求めて杖をついて来店されました。

この方には寒湿の邪を去り、水分代謝を改善してミネラルバランスを整える薬方、年齢からくる代謝の衰えを改善する薬方を選びました。
服用後、徐々に改善し、一年目で痛みが取れました。
その後は服用量を減らして予防をしています。

足腰の痛みやしびれは腰椎や関節、筋肉の異常など原因が色々ありますが、漢方医学では気血水、寒熱、陰陽、虚実、臓腑など、病因と病機について独特の考え方で薬方を選ぶことができます。

滋賀夕刊掲載【第263回】漢方薬のおはなし