滋賀夕刊に掲載中の【漢方薬のおはなし】2024年3月分をご紹介いたします。

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今月は、第267回『不眠…全く眠れない~心を緩める漢方~』です。

-以下、記事本文-

全然眠れない40歳のMさん、実家に帰省した後、自宅に戻った日から不眠が始まりました。
一睡もできず徹夜になってしまう夜もあり、ここ一か月は平均3時間ぐらいしか眠れません。
夜に布団に入っても全く眠気が起こらず、眠れないことが不安になり、動悸も起こるという状態です。
元々は物事を論理的に考え、頭の回転の速い左脳型なのですが、マイナス思考になり、先の事を全て悪く考えてしまい、余計に焦って落ち込んでしまうという悪循環になっています。
市販の漢方薬を買って飲みましたが、動悸は多少ましになるものの、不眠は全く改善されないとの事でした。

Mさんには滞った肝気の流れを改善し、欝結を解く漢方薬と、気の滞りを発散する薬方を選びました。
服用後、3週間ほどで少し睡眠時間が増え、眠気も出てきました。

3か月を迎える頃には随分と調子良くなったのですが、また考え事をして眠れなくなる夜が出てきてしまいました。
これには血熱を冷ます漢方薬を選んだところ、調子の波はありましたが、2か月後には布団に入って10分内に寝られるようになりました。

日頃から気を張り、交感神経の過緊張状態が多いMさん、眠れるようになっても漢方薬はすぐにはやめられず、結局2年半の服用になりましたが、睡眠の事を気にせず生活できるようになりました。

東洋医学では夜11時~午前1時は気血陰陽の転換が起こる時間です。
この時に心身がリラックスして眠りにつけるのがベストです。
不眠の時は無理に寝ようとしても眠れるものではありません。
体質に合った漢方薬が自然な睡眠に導きます。

滋賀夕刊掲載【第267回】漢方薬のおはなし